I.D.– category –

I.D.の3作目と4作目がセットになりました。 奇しく両作品に「恋」の文字が冠されていますが、前二作とは違い、 どちらも普通の人には無い力―「魔法」が登場する作品です。 ありふれた日常の中で「魔法」を切っ掛けとして誰かと触れ合い、 心を寄せ合う事になった主人公とヒロイン達を描きました。 I.D.作品として大事にしてきた、甘く切ない等身大のラブストーリーに、きっと心は満たされます。

春休みが明け、主人公の学園生活最後の年が始まった。 ところが新学期が始まった早々、住んでいる家を火事により失ってしまう。 父と母、家族3人で住める場所を探せるまでの一か月ほどの間、主人公は1人で生活しなくてはならないのであった。

幼い頃に母を亡くし、そして交通事故により父までも失った主人公・相田幸太郎は、そんな境遇にめげる事も無く、強く正直に生きてきた。父が他界してから1年経った頃……毎月恒例となったクラスの席替えで、幸太郎は一人の女の子と隣同士になった。周囲の誰とも仲良くならず、無口でいつも一人だった彼女――椎名雪。クラスメイトや親友から何故か恐れられていた彼女に対し、幸太郎は特に壁を感じる事も無く話しかけていた。そんな…